第7回連続学習会「福祉は、権利です~災害と女性 今何が起こっているのか、
何をなすべきか【福祉・社会保障】」が、11/17(木)に開催されました。

赤石千衣子さん(NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ理事/東日本大震災女性支援ネットワーク世話人)

瀬山紀子さん(DPI女性障害者ネットワークメンバー/東日本大震災女性支援ネットワーク世話人)

が大震災と福祉問題をテーマにお話をされました。

 
まず、赤石さんがシングルマザーの状況と福祉について、福島・岩手の被災地、
福島の県外避難者を多く受け入れた東京の公務員住宅(東雲・九段)のシングル
マザーを事例に報告されました。
 
  震災前より母子家庭の暮らしは苦しかったが、震災によって、さらに厳しい状
況に陥っていることを紹介しながら、震災が起こる前からシングルマザーの支え
となっている児童扶養手当(月額41550円)とと子ども手当が、シングルマザー
の生活を支える基盤になっていることを指摘しました。
 また本来パーソナルサポートとして機能すべき母子自立支援員が貸付金業務だ
けを担っているだけではないかということや、対策が遺児と孤児に行きがちであ
る現状も話しました。

 
また最後のセーフネットである生活保護の受給率は10%ほどで、公共交通機関が
整備されていない被災地では必須 の車の保有により、生活保護が適用されない
という矛盾も明らかになりました。

 福島県の担当者は震災によりばらばらになってしまった対象者の把握さえでき
ていない現状も紹介。国としての対策が急務であることを示しました。

 
いま母子家庭に必要なのは現金給付と雇用支援策であるが、たとえば高等技能訓
練促進事業などのように手当を受けながら技能を身につけるような制度が震災前
から後退している現状を打開することが重要だといわれました。

 瀬山さんは、10年近く障害者運動にヘルパーとしてかかわってきた立場から、東日本大震災と障害者の問題をジェンダー視点も絡めながら報告されました。
 
 震災発生時より障害者は以前からのネットワークを通して3/16には東北関東大震災障害者救援本部を設置するなど対応は早かったといわれました。

 たとえばALS患者は停電により人口呼吸器が使えなくなり生命にかかわる問題が起きたが、ネットワークを通して常時電源装置の確保のための情報交換をできたことを紹介しました。

 一方、災害情報や避難所での情報は音声情報のみで文字情報がないため、耳の不自由な人たちには的確な情報が伝わらなかったことや、ヘルパーの協力を得て自立生活をおくっていた障害者が「福祉避難所」に囲い込まれてしまう、障害者がボランティア活動に加わることを「足手まとい」と考えるなど、人権意識に欠ける状況もあったとことを示されました。

 他方、これまで家から一歩もでることができなかた、あるいは障害者年金で親の生活を支えているために家族に「囲い込まれ」ていた障害者が、自宅が全壊したことで何年ぶりかに外に出られた経験や、いつもは冷たいご飯しか食べさせてもらえていなかったが、避難所でしばらくぶりに温かい味噌汁を飲むことができたといった「皮肉」な現象もあったと指摘されました。

 最後に、障害者に関するジェンダー統計がないことや、「障害者」というアイデンティティで括られ、「女性」 としての自認が失われていることなどを挙げ、震災によって障害者とジェンダーの問題点がより明らかになったと述べられました。
 
 報告後、当事者である障害者女性の発言もあり、参加者と報告者との間で意見交換や質疑応答が活発におこなわれました。そこでは、あらためて震災復興を口実にして、福祉や社会保障予算が切り捨てられていく流れを押し返す動きが重要であることが確認されました。

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