被災の夫に特例なし 年金改革に怒り 「救済を」訴え遠く

東日本大震災で妻を亡くし、子育てに追われる東北の父親たちが、消費税増税関連法案に盛り込まれた年金改革に怒りを募らせている。法案は遺族基礎年金の支給対象に父子家庭を加えたが、受給できるのは、法施行日以降に父子家庭になった場合に限られるからだ。母子家庭に比べ他の公的な支援制度も手薄な現状は変わらない。震災で父子家庭となった父親たちは、切実に支援の拡充を訴えている。(片桐大介)

「震災で一気に父子家庭が増えたのに、支援の拡充がないのはおかしい。遺族年金制度の矛盾が一層あらわになった」と指摘するのは、父子家庭の支援に取り組む「宮城県父子の会」代表の派遣社員、村上吉宣さん(32)さん=仙台市太白区。
あしなが育英会(東京)の推計(2月末現在)によると、震災で父子家庭となったのは全国で432世帯。都道府県別では宮城の232世帯が最も多く、次いで岩手134世帯、福島31世帯-と大多数が被災3県に集中する。
消費税増税関連法案と一体で今国会に提出された年金機能強化などの法案では、これまで夫と死別した妻のみが受給対象だった遺族基礎年金を法施行日以降、妻を亡くした夫にも広げる。
原案通り成立すれば施行は2014年4月になる見通し。「震災特例」でも設けない限り、震災による父子家庭432世帯は救済されないが、厚生労働省は「震災とは関連のない改革」(年金課)と素っ気ない。
母子家庭だけが対象とされている「福祉資金貸付金」や親の就業をサポートする「自立支援給付金事業」は、今回の税と社会保障の一体改革でも手付かずのままだ。
厚生労働省は「夫を亡くした女性は、職業経験がない場合も多い。男性は父子家庭になる以前から、ほとんどが就業しており、母子家庭と同様の扱いはできない」(家庭福祉課)と強調する。
現状の打開に向け、NPO法人全国父子家庭支援連絡会(新潟県阿賀野市)は、地方から国に声を上げようと、地方議会への働き掛けを強めている。3月末時点で全国約30の地方議会で父子家庭への支援策拡充を求める意見書が可決された。
だが、宮城県富谷町議会では3月、議会内の駆け引きの末に意見書が否決。連絡会の理事でもある「宮城県父子の会」の村上代表は、若生英俊町長(62)に町として国に働き掛けるよう求めた。
父子家庭に対する支援拡充を求める草の根の声は、なかなか政治に届かない。
http://http://www.kahoku.co.jp/spe/spe_sys1062/20120415_07.htm

2012年04月15日日曜

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