「防災・地域力:女性が守る 災害時に力発揮「消防団」(その2止) /熊本」@毎日jp熊本版
http://mainichi.jp/area/kumamoto/news/20120101ddlk43040139000c.html
◇“地域防災の要”減少一途 高齢化進み機能低下懸念
◇団員、前年比111人増 機能別採用など奏功--県内
住民が地域ボランティアの精神で従事する消防団は、消火活動や災害発生時の住民救助、避難誘導など被害の拡大防止に力を発揮する地域防災の要だ。しかし、団員数は減少の一途で高齢化も進み、機能低下が懸念されて久しい。東日本大震災では活動中などに250人超が亡くなり、改めて在り方が問われている。
全国の消防団員は1950年代には200万人いたが、90年に100万人を割り10年4月現在で88万3698人。県内は3万5078人(前年比111人増)で兵庫、新潟、長野、福島の4県に次いで全国5番目に多い。うち女性は576人で、こちらも東京、北海道、神奈川、長野に次ぐ5番目の多さ。
昔と違って自営業者や農業、漁業従事者が減り、住民の大半が会社員などのサラリーマン。地元市町村の外で働く人も多い現在、消防団員の確保は年々困難になっている。1965年の年代別構成比は20代42%、30代45%だったのに対し、2010年は20代18%、30代40%にとどまる。少子化で後継者がいないため40~50代になっても引退できない団員が多い。
県内は10年、前年比111人増で減少に歯止めをかけた。100人以上増えたのは189人増の東京都、143人増の岩手県の3都県。女性団員(49人増)や学生団員の増加、参加できる活動にだけ携わる機能別団員の採用などが奏功した。
東日本大震災では改めて消防団の存在がクローズアップされた。どの世帯がお年寄りの一人暮らしか、といった地元情報に通じているためいち早く救助、避難誘導。不明者の捜索でも力になった。自治体関係者らからは都市部でも同様に活動ができるか懸念する声が上がっている。
一方、住民の避難誘導や水門閉鎖をしている最中に犠牲になった団員も多い。日ごろから訓練を受けているわけではない団員にとっては心身の負担も過大だった。総務省消防庁は被害が起きた状況を検証し、検討会で再発防止を議論する。
◇県内災害概況
県内は東に山地があり西は海に面した地形から、気象災害では梅雨前線や台風などによる豪雨、土砂災害、高潮被害に見舞われてきた。沿岸部では99年の台風18号などによる高潮被害も起きている。
また地震では、阿蘇から八代海まで縦断する布田川・日奈久断層帯をはじめ、国が地震に関する評価をしている主な活断層が六つあり、内陸や沿岸の浅い場所や宮崎県の日向灘で起きる地震が被害をもたらすとされている。
一方で地震に伴う県内の津波被害は、1960年のチリ沖地震による天草市本渡の床上浸水が最後。県や沿岸市町の地域防災計画で津波に関しては避難態勢が主で、被害想定まではしていなかった。
東日本大震災の発生を受け、県は地域防災計画の見直しを進めており、津波の被害想定調査は13年2月ごろまでにまとめる予定。
各市町村の地域防災計画への反映は、県の検討結果の後になるが、市町村でも検討が可能な避難所の見直しなどは順次進めている。
毎日新聞 2012年1月1日 地方版
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