震災から6ヶ月が過ぎた。被災地にはそろそろ涼しい風が吹く頃ではないだろうか? 被災された方たちの一日も早い生活再建を心から願う。これまでに被災地を訪問して見たこと、聴いたことを伝えたい。

●避難所
「居場所が当初はあまりに狭かった」「公共の場なのに、最近は夕方からお酒を飲む人がでてきてイヤだ」など。

避難所のリーダーを引き受けた女性は「せめて運営マニュアルが欲しかった。何をどうすればよいのか全くわからず、手探りで大変だった。」とのこと。

「医療チームは全国からきたが、介護チームはこなかった。高齢者をかかえて大変だった。」仮設住宅があたらないので、不安や取り残されたという思いが強いようだった。別の避難所にいたが「仮設があたってない人は、別の避難所へ移動して」と言われて移ってきた母子がおられた。

先の見通しがたたない不安もあって、荷物をかたづける気力もないようだった。個別の支援の必要性を感じた。「子どものいる家族は仮設に優先入居させるべきだ」と役所に抗議したという女性もいた。

●仮設住宅
高齢女性は「入居後から涙がとまらない。」「何もすることがない。何故自分はここにいるのだろうかと悲しくなる。」「収入は少なくても、誰かと一緒にする仕事があれば楽しい」など言われた。住民の孤独死が心配される。仮設に集会所もまだ設置されていない。仮設の責任者の方は、物資の支援もいいが、少しでも賃金のもらえる仕事、生活再建への青写真が必要だと言われた。仙台市の「絆と安心プロジェクト 安心見守り協働事業」(社団法人パーソナルサポートセンター)が被災地でのモデル事業に育つことを期待している。

●在宅の被災者
家が流されなかったという人は、「わたしは被災者ではありません」と言われる。心身の痛みに変わりはないはずだが。他の方に申し訳ないという気持ちで避難所にはいづらかったとのこと。実際、5月の初旬に、水もガスも電気も通っていないのに、「家のある人は自宅に帰ってほしい」と責任者に言われ仕方なく自宅に戻った人もいた。

●DV被害について
DVで離婚した女性が避難所にいたら、元夫がさがしだして衆人環視のもとで殴り、警察を呼んで元夫が逮捕されるという事件があったとのこと。かなりひどい暴力で別居していたが、津波の恐怖と経済的不安からか、復縁した方がけっこうおられるとのことで仮設住宅に入ってからが心配である。

地域的に3世代同居も多くDVがあってもこれまではなんとか親がとめていたが、世帯が別々の仮設に入居することになり嫁が心配だという話もあった。実際に、8月には仮設住宅でのDV殺人があった。仮設住宅もふくめて、被災地の女性たちが安心して語れる相談機関の情報などを周知徹底してもらいたい。

●災害ボランティアの女性
「避難所で被災者の男性からさまざまなセクハラ発言をされる。支援物資についてたずねると『あんたのような若いねえちゃんが欲しい』『○○市に慰安所ができたらしい。あんたも慰安婦になればもっと金が稼げる』とか言われて悲しくなったとのこと。

NPO団体などで働く女性からは「女性が非常に少ないせいか、セクハラ発言を平気でする男性スタッフがいる。責任者に相談しても、『もっとひどいことがある。ささいなことを気にしてたら仕事なんてやっていけない』と言われて自分が悪いのかと思ったがつらかった。なかなか相談できない」と言う。

ジェンダーハラスメントは、する人もされた人もなかなか暴力と意識されない。支援活動をする人や、避難所や仮設住宅の運営に関わる人を対象にセクハラ防止研修、女性や子どもへの暴力に関する正しい知識や理解を育てることが必要だと思うが、平時から、このようなジェンダートレーニングがせめて社会福祉協議会やNPOの責任者、地域リーダーなどに義務付けられていたらと思う。

●2次受傷について
被災地では行政職員、一般ボランティアの方などで頑張っている人がたくさんおられるが、
自身の心の痛手も深いはず。支援者との出会いから、特に被災地での支援者に「2次受傷」についての知識を伝え、ボランティアのバックアップ体制が必要であると感じた。

16年前とちがうのは、国が避難所の運営に女性の参画やプライバシーの確保を求める通達を自治体に向けて何度もだしていること、警察が女性への暴力防止の取り組みを積極的に行なっていること、多くの女性団体が救援や復興に関して国に積極的に働きかけていることなどである。残念ながら国の指示が現場で十分に活かされているとは言いがたい。それが何故かを今後検証すべきだと思っている。

※地域名を伏せたのは話してくれた女性のプライバシーを守るため。女性への暴力はそのため流言飛語にされがちである。恥ずべきは加害者なのに、何故被害者が恥じたり、周囲から責められなくてはならないのかと理不尽に思う。

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