外国籍市民の支援やネットワークについては、今後の課題ですね。

●「防災:明日に備える たかとりコミュニティセンター 外国人被災者が情報発信 /兵庫」@毎日jp兵庫
http://mainichi.jp/area/hyogo/news/20111106ddlk28040286000c.html

 ◇気仙沼・比出身の2人研修、多文化共生のまちづくり学ぶ 地元でも根付かせたいと意欲--神戸

 マイノリティーの視点に立つ活動団体のネットワーク作りを支援する神戸市長田区のNPO法人「たかとりコミュニティセンター」に10月下旬、宮城県気仙沼市で東日本大震災で被災したフィリピン出身の伊藤チャリトさん(37)と高橋レイシェルさん(41)が研修に訪れた。外国人向けのラジオ番組制作を学ぶとともに、同センターが多角的に取り組む「多文化が共生するコミュニティーづくり」に触れ、地元気仙沼でも根付かせ、花開かせようと意欲を見せていた。【山川淳平】

 同センターは阪神大震災後にボランティア活動の拠点となった「たかとり救援基地」が前身で、震災5年後の00年に設立された。外国人登録者が7000人を超える同区のカトリックたかとり教会敷地内に拠点を設け、多言語で情報発信するコミュニティーFM局「FMわぃわぃ」やアジア女性の自立を支援するNGO「アジア女性自立プロジェクト」など10団体で構成している。各団体がそれぞれの特徴を生かし、多文化共生コミュニティーの実現に向けて活動している。

 大規模災害が起きる度に大きなテーマとなる外国人被災者のサポートは、東日本大震災でも課題の一つだった。伊藤さんは日本語で日常会話はできるが、漢字の読み書きは苦手。このため、最も大切な地震や避難の基本的な情報が理解できない場面があり、苦労したという。

 そんな中、4月下旬に支援で気仙沼市を訪れた同センター常務理事の吉富志津代さん(54)らが、ラジオ番組づくりを提案した。災害を体験した外国人被災者が、母国の言葉で情報発信しようというのだ。「最初は驚いた」という伊藤さんらだったが「経験を自分たちの言葉で伝えたい」と賛同した。

 6月上旬、伊藤さんの自宅居間にフィリピン出身の女性計6人が集まり、タガログ語で震災体験を語る1時間のラジオ番組を作った。制作ノウハウや機材は、同センターで翻訳通訳などで地域の外国人らを支援するNPO法人「多言語センターFACIL」とFMわぃわぃが協力。番組は8月にFMわぃわぃで放送され、現在もインターネットで視聴できる。

 被災外国人のためのラジオ放送として反響を呼び、多くのマスメディアにも取り上げられた。「すばらしい。もっと続けてくれ」とリスナーから声が上がり、フィリピン本国からも継続を求めるメッセージが寄せられたという。反響を受け、今は救援物資の仕分けなど、震災後の活動を発信しようと新たな番組制作に取り組んでいる。

 同センターで、録音した音源をラジオ番組に編集する方法などを熱心に学ぶ伊藤さん、高橋さんに、吉富さんは「番組を作ることが目的ではない。まちづくりを進める中で、自分たちが何をすべきか、何を目指しているのか、何のためにこういうことをしているのかということを考えてほしい」と語りかけた。二人は「今まではただラジオ番組を作ることしか考えていなかった。ラジオは地域で人間関係を作るための一つの方法だということが、今回の研修でよく分かった」と話し、多文化が共生できる地域作りの大切さを感じ取っていた。

毎日新聞 2011年11月6日 地方版

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