静岡大防災総合センターが2011年度に創設した防災に関する称号「防災マイスター」を取得した第1期生3人が4月から、県内の小中学校で教員や講師として働く。東日本大震災を契機に、子供たちへの防災教育や校内の危機管理の強化が求められる中、3人は「子供たちの命を守るため、学んだ知識を生かしたい」と意欲を燃やす。
1期生はいずれも教育学部を21日に卒業した伊藤未来さん(22)、中村早穂里さん(22)、前田麻紀子さん(22)。
3人は教員採用試験の勉強や卒業論文の執筆に励む傍ら、指定の科目を受講し、大学外での専門家の講演会や地震学会にも出掛けた。学校で地震が発生した時の対応をシミュレーションする実習などにも取り組んだ。
伊藤さんは「マイスターの勉強を通して、いつ地震が起きても自分の身を守れる判断力を子供につけさせたい」と強く思った。学校では、通学路や校内のハザードマップを子供自身に作成させる、実践的な防災教育をしたいと考えている。
中村さんは「学校の危機管理対策を充実させるために貢献できれば」、前田さんは「マイスターの称号を得たからこそ、さらに知識と経験を増やしていきたい」と意気込みを語った。
防災マイスター制度は、一定レベルの防災知識を持った学生を養成して社会に送り出す取り組み。地震や防災関連の科目を所定の単位数履修すると、称号認定される。初年度は教育学部だけを対象に実施した。1〜4年の約40人が挑戦し、3人が取得した。12年度は対象を静大キャンパスの4学部に拡大する。