東日本大震災で3万人を超える人々が県外に避難しており、特に原発事故後の福島県民が多いと言われている。

いったいいつ戻れるのかわからない、安心して子育てできない、家族が離ればなれになって不安だ・・・

「NPO法人 しんぐるまざあず・ふぉーらむ」では、安心できる場で今抱えているさまざまな悩みを語りあう場として、「ほっとサロン」を月2回開催している。  

福島から避難してきた女性が多く入居されている集合住宅の近くの集会所を借り、クリスマスリースや毛糸で作るモビールなど簡単なものづくりや、お茶を飲みながらのおしゃべりをしている。

参加者は毎回10名〜20名ほどで、30代〜80代までの幅広い年齢層の女性たち。日々の買い物を行うお店や、季節柄、暖房器具や寒さ対策などの情報交換、子育てのこと、体調のこと、被災したときのつらい体験などを分かち合う場所にもなっている。

 「おしゃべりがたくさんできてよかった」という感想がある反面、「今はまだ人に話すのがつらいので、ものづくりなどの作業に没頭して少しでも日常を忘れたい」という感想も聞かれる。

原発はこれまでの暮らしや人とのつながりを根こそぎ奪い去った強大な「暴力」そのものであり、本来ならば1日も早くそれらの暴力を受けた女性ひとりひとりに対して、エンパワーメントときめ細やかな支援が必要である。

しかし、それらはまだないに等しく、人によって回復していく過程は様々でもある。回数を重ねるごとに見知った顔も増えてきて、サロンの中に少しずつ女性たちがつながっていく小さな萌芽が見え始めたところ。今は、それらを大切に育てていきたい。

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